えほんをよむかい?in 京都 第20回

2014年11月29日土曜日、
11月も末というのにあたたかな朝、今月も大人7名、子ども5名があつまって
20回目となる京都でのえほんをよむかい?をひらくことができました。

今回のテーマは「収穫のものがたり」。

実りの秋。

たくさんの美味しい野菜や果物たちにかこまれるこの季節、
作物を育ててくれているひとたち、土や光、水、虫たちなど
自然への感謝の気持ちがおのずと湧いてきます。
そんなことに思いを巡らせていたら、ふと、
この絵本をみんなで読んでみたくなりました。

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『とうもろこしおばあさん』(秋野和子・作/秋野亥左牟・画 福音館書店)

「一度読んだら、あまりの衝撃のシーンに忘れられない1冊!」
という声をよく耳にするこの絵本。

アメリカインディアンのとうもろこし栽培の起源を描いたものがたりで、
世界各地に残る食物起源神話のひとつ。

一晩の宿を求めてやってきたおばあさんが、
快く泊めてくれた村人たちに、お礼にたくさんのパンをつくります。
「こんなおいしい食べものは見たことがない!」
ふしぎに思った青年がおばあさんのテントをのぞくと、おばあさんはふとももから・・・。

ヒミツを知られたことが分かったおばあさんは、
畑を焼き、自分の髪の毛をもってその上をひきずりまわし、
月が3回のぼったあと、また畑に来るようにと青年に告げます。
やってきた青年が目にしたのが・・・。

 

食べ物がどうやってこの世界にうまれたのか?

その起源を考えるのは太古のひとも、現代のわたしたちも楽しみのひとつ。
そこで今回は、『とうもろこしおばあさん』のはなしに沿って、

①ある日、おばあさんが美味しい○○をつくって子どもたちにふるまうシーン
(○○は作物そのものではなくて、それを使って作った料理)

②青年がテントの中をのぞくと、おばあさんが体の一部から○○を生み出しているシーン。
(体のどこから生み出しているか描く)

③おばあさんが青年に、その作物の育て方を指示し、作物が実っているシーン。

の3つを、2人1組で紙芝居のように紹介し、みんなでその作物が何かをあてる!
というワークをしてみました。

 

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グループa
おばあさんはある日、甘~いまっ赤なスープをふるまいました。
青年がのぞくと、おばあさんは心臓にナイフを刺し、スープを作る姿が。
「死んだじぶんの体から心臓を取り出し、血液を畑にまいておくれ。
3回月がのぼったら、畑にはたくさんの○○が実るよ。」

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グループB
おばあさんはある日、真っ黒いあんこのはいったパンをふるまいました。
青年がのぞくと、おばあさんはおへをから何やら取り出しています。
「わたしの

木にはたくさんの○○が実るよ。」

 

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グループC
ある日おばあさんは、ふわふわの美味しいお好み焼きをふるまいました。
青年がのぞくと、おばあさんはおしりから長い長~いものを生み出しています。
おばあさんは、バケツにたっぷり出し、すべて畑にまくように青年に命じました。
やがて土を掘り返した青年が見つけたのは・・・?

 

それぞれ、なるほど!の作物ばかり。
どんな作物が実ったのか、考えてみてくださいね♪
(こたえはブログの最後に)

 

さてこのとうもろこし、

小麦、米、とともに世界3大穀物のひとつで、
生産量は8億トンを超えます。
でも、人がそのまま食べる「食用」はわずか4%。
64%は家畜の飼料用、32%が工業用(コーンスターチ製造(製紙・のり・甘味料などに使用)、コーン油など)、そして近年ではバイオマスエタノールとしての利用に注目が集まっています。

遺伝子組み換えにより、生産量が莫大にスピードアップし、
それぞれの用途にあわせて改良されたり、その種に対応した農薬とセットで改良されたり、
もはや原種は手に入りにくいくらいに様々な種類ができたとうもろこし。

とうもろこしおばあさんも、
まさか人間たちよりも家畜の食べ物や工業用としてこんなに
使われるとは思っていなかったでしょう。

一方、「食用」は4%でも、映画「キング・コーン」(2007年、アメリカ)を観ると、
アメリカ人の体のほとんどはとうもろこしでできている!という衝撃の展開。

飼料用のコーンを食べて育った牛を食べたり、
コーンスターチを使った甘味料入りの清涼飲料水を飲んだり、
わたしたちの食は、とうもろこしなしには成り立たないほどになっているのです。
その多くが遺伝子組み換えにより、見えない危険を多分にはらみながら世界に広がっています。

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さいごに、やかまし村の永井さんに
『とうもろこしどろぼう』(西本鶏介 さく、武井武雄 え、フレーベル館)
を読んでもらい、コーン入りとうふスコーンをたべて、おひらき。
気づけば、食をめぐるこわ~い話に盛り上がってしまいましたが、
インディオのひとびとのトルティーヤや
アフリカのウガリ(別名も多々あり)など世界のとうもろこしの食べ方の話にも花が咲き、
いつか、みんなで作って食べる企画もできたらいいな~と思っています。

先人たちが大切に育て、食べ、つないできてくれたいのちの源のひとつひとつ。
安心で安全なタネ、美味しく味わい深い料理とともに、未来へわたしていきたいと
願った日でした。

 

 

(ワークの各グループのこたえ)

グループa  ビートルート
グループb  ごま  (”へそのごま”という言い方に、エストニア出身の参加者はびっくり!ひいてました(笑))
グループc 長芋

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