「えほんをよむかい?」京都第6回

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4月14日(日)、「えほんをよむかい?」の京都第6回が行われました。今回のテーマは「オニ」。大人9人、子ども6人の計15人が参加しました。

会をリードしてくれた鈴木安朱花さんより、当日の会の様子や感想をいただいたので、紹介します。(ずっと早くに原稿をくれていたのに、upがおそくなってごめんなさい!)

・・・・・

最初に、大人は昔話などを思い出しながら、自分が抱くオニのイメージをマインドマップとして画用紙に書き出しました。子どもたちはオニの絵をかき、そのオニが何を好きでどんなくらしをしているか、想像を広げました。

そして、オニの登場する2冊の絵本、
●『ふくろにいれられたおとこのこ』(山口智子・再話、堀内誠一・絵、福音館書店)、
●『「しまひきおに』(山下明生・著、梶山俊夫・絵、偕成社)
を読み、絵本から感じたことをふまえながら、オニについて話しました。

 

わたしはみんなの話を聞いて、オニって意外といいやつではないか~!と思いました。

「ふくろにいれられたおとこのこ」には食べてやろうと主人公を誘拐し、逆に主人公にやっつけられてしまうオニが登場します。一方、「しまひきおに」のオニは、ただ純粋に一緒に過ごしてくれる仲間が欲しいだけ。けれど人間にだまされ、波間をさまよいつづけます。

参加した男の子のひとりM君は「オニは世界一優しい」と言い、みなを驚かせました。たしかに昔話のなかで、オニはかならずしも、忌み嫌われる恐ろしい生き物ではありません。歌や踊り、お酒も好きで、田植えもする、さびしがりや……まるで人間のようです。

オニは人間の欲望を映し出す鏡で、悪の部分を顧みさせる存在ではないかというHさんの言葉も印象的でした。
オニと般若の話になったとき、Yさんが面白いコメントをしていました。普段は美しい女性なのに、怨念のあまりカッと目を吊り上げて大変身するのが般若。いわばパートタイム。一方オニは生まれながらの異形の者で、フルタイムのもの。常に恐ろしい姿のオニよりも、普段は人間なのに一瞬で形相を変える般若の方が恐ろしい。本当はオニより人間の方が怖いのではないか、と。

オニのイメージはどこからきたのでしょうか。仏教、地獄絵図、牛頭天王、鬼門(丑寅)など、様々なものから影響されて、オニは私たちのなかに定着しています。現代では「おにのパンツ」 などの童謡、オニから電話がかかってくるスマホアプリも人気。私たちの暮らしのなかには、時代をこえてオニの存在が見え隠れしているようです。

「オニは外、福は内」ではなく、「オニは内、福も内」という昔話もあるようです。なるほど、わたしも心の中のオニをもっとかわいがってやらないといけませんね。
オニの話は尽きることなく、ぜひ第二弾も! との声があがりました。

 

しまひきおに

 

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コメント

  1. 鬼。。。興味深いですね。
    力が強いだけでも、まわりにいると、けっこうコワイものなのかも。
    不安にならずにじっくりつきあうと、わりと使える奴だったり。。。
    人間が変わる。。。というのもコワイですね。自分も変わるわけだから。
    境目がない、いつなるかわからない。。。など怖さ満載?
    『鬼の研究』馬場あきこ ちくま文庫 にもたくさん鬼がでてました。
    鬼と日本人、長~いおつきあいみたいですね。世界にもたぶん。。

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