Drawing from the city

今回のブックフェアにあわせて、Tarabooksから届いた本のなかからひとつご紹介。

「Drawing from the city」(街を描く)
作者は西インド、ラジャスターンの門付け芸人を夫にもつテージュベハム。
彼女がペンと紙で書きつづった自伝的絵本です。

田舎育ちのひとりの少女が憧れの街へ出て、挫折と格差を味わいながらも、
みずみずしい感性で、街の風景を活写していく。街の暮らしにつかれて、
夢やぶれたあとに、彼女を自由にしたものとはなんだったのか。

ペンでかかれた世界は、絵の教育をうけた絵描きにはぜったいにかけないような
生き生きとした線にあふれています。

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テージュべハムさんは、けっこう歳をとってから、旦那さんが絵を書いている(彼もいわゆるプロの画家ではない)姿を見て、
「お前も書いてみたら?」と旦那さんに勧められて、ペンをとるようになったといいます。
芸人一家にありながら、女性は門付け芸で歌うことはできないシキタリがあり、
ずっと夫についてきた彼女はペンと紙ではじめて、のびのびと生きる自分を感じたそうです。

以下は本扉に書いてある絵ですが、ぼくはこの木の上で果物を食べている猿の姿がとても好きです。

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ほとんど絵の描いたことのない人、絵本なんて作ったことのない人の絵で
こんな大判の絵本を作ってしまったTarabooksはすごいと思います。
まさに「誰もがもっている宝物を引き出す」仕事。

刷色は2色とシンプルですが、大きな判型なので手に取ったとき
とても迫力があります。一見地味だけどおもわずひきこまれてしまう一冊です。

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芸人で夫のガネーシュ氏(左)。著者テージュベハムさんは右の女性。

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